今回は、batファイルで使われる「rem」コマンドについて解説していきたいと思います。
remコマンドの基本的な使い方
REMコマンドは、コメントを残したい時に使うコマンドです。REMコマンドにて記載されたコメントはbatファイルの実行時に実行されません。
そのため、batファイルの挙動のメモやスクリプトの説明などに活用できます。
remコマンドの構文は下記の通りになります。
rem [コメント]
Remコマンドの使い方は下記の通りになります。
rem これはコメントアウトです。
上記の通りに入力すると、コマンドプロンプト上ではremコマンドの後に入力された文字列は表示されません。
実際にbatファイルで記載した内容とコマンドプロンプト上に出力された結果は下記の通りです。
batファイル

コマンドプロンプト

remコマンドを使うとbatファイル上にはremコマンドを含めた文字列が残りますが、コマンドプロンプト上にはechoコマンドで出力された文字列のみが出力されていることがわかります。
このコマンドは、batファイルの可読性を上げることに役立ちます。
batファイルを作成する際に、下記のような内容をbatファイルに残すことで、他の方が同じbatファイルを編集する際にも、処理などがremコマンドで書かれたコメント読むことで理解しやすくなります。
- batファイルの作成日
- batファイルの作成者
- 処理の内容
- batファイルを編集する際の注意点など
例えば、下記はremコマンドを用いたbatファイルの一例になります。
コメントアウトの具体例
ここからは、remコマンドを活用した例を2つご紹介します。
スクリプトに注釈を入れる
例えば、下記のような処理を行うbatファイルを作成するとします。
@echo off
rem 作成日:2025/3/6
rem 作成目的:remコマンドの実演の為
rem 処理内容:変数Aと変数Bの条件分岐を実施
set A=サッカー
set B=野球
if %A%==%B (
echo AとBは同じスポーツです。
) else (
echo AとBは同じスポーツではありません。
)
pause
exit
処理内容は簡単な内容になりますが、下記の通りとなります。
- 変数Aにサッカーを代入し、変数Bに野球を代入
- 変数Aと変数Bの条件分岐を実施し、合致した条件でechoコマンドの文字列を出力させる
実際の出力結果は下記の通りになります。

こちらのコマンドを作成した際に、remコマンドにてbatファイルを作成した目的や処理内容を記載しておくことで、メンテナンスがし易くなります。
デバック
当ブログはIT初心者向けに記事を作成しておりますので、用語の解説をしておきます。
デバックは、プログラムのエラーを修正する作業のことです。
こちらの説明を踏まえて解説を進めます。例えば、先程用いたbatファイルを使って説明します。
@echo off
rem 作成日:2025/3/6
rem 作成目的:remコマンドの実演の為
rem 処理内容:変数Aと変数Bの条件分岐を実施
set A=サッカー
set B=野球
if %A%==%B (
echo AとBは同じスポーツです。
) else (
echo AとBは同じスポーツではありません。
)
pause
exit
下記構文の内、「echo」の「e」を取り除いてbatファイルを実行してみます。
cho AとBは同じスポーツではありません。
すると当然ですが、コマンドプロンプト上ではエラーとして表示されます。

今度は、先ほど「e」を除いた構文に対して、先頭にremコマンドを付け足します。
rem cho AとBは同じスポーツではありません。
実行結果は下記の通りです。先ほどのエラーは表示されなくなりました。
このようにして、echoのコマンドが間違っていたと特定するようなイメージになります。

今回は簡単なスクリプトについて、remを使ったデバックの説明をしましたが、実際はもっと複雑な処理をする際のデバックでremコマンドは役立ちます。
さいごに
今回はremコマンドの解説をしてみました。
下記記事ではremコマンドの説明はもちろん、初めてbatファイルを作成する方でも作成の第一歩を踏めるよう4つの基礎的なコマンドから解説しています。
こちらも合わせて読んで頂くことでよりbatファイルの理解が深まるかと思います。
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