ソフトウェアを大量のPCにインストールしなくてはいけないとき、自動化して効率化を図りたい。
そのようなお悩みをお持ちの方向けに
向けにBATファイルを使ったサイレントインストール手順をご紹介します。
batファイルについて作り方がよくわからない、もしくはまだ基礎的な知識を吸収したい方は下記記事をご参考ください。
初心者でも分かるよう4つのコマンドから簡単にbatファイルを作る方法を図解で紹介しています。
サイレントインストールとは
ユーザーが操作をせずにアプリをインストールする方法をサイレントインストールと言います。
通常は、インストーラーを起動してウィザードに沿ってインストール作業進めますが、サイレントインストールを使うことでユーザー操作無しでインストールを実行することができます。
用意するもの
サイレントインストールの作業で必要なものは下記2つになります。
- ソフトウェアのインストーラー
- メモ帳(windows標準)
注意点
- BATファイルを実行する際は「管理者として実行」を選択
- インストールが完了したら、ソフトウェアを起動して確認
- カレントディレクトリに移動して実行するようにファイルに記載
バッチファイルをカレントディレクトリに移動して実行する方法は詳細を下記記事にまとめております。こちらの記事を読んでいただくことでより本記事の理解が深まるかと思います。
ソフトウェア別:サイレントインストール手順
今回サイレントインストールで使用するソフトウェアは下記3つになります。
- Google Chrome
- Adobe Acrobat Reader
- Zoom
実際に情報システム部が作業するであろうソフトを集めてしました。笑
ソフトウェアによって引数が異なりますので、ご注意ください。
本記事ではこの後すぐに解説しています!ちなみに今回は、デスクトップにbatファイルとインストーラーを格納した状態で実行することを前提とします。

Google Chrome
Google chromeのやり方をご紹介します。
インストーラーのダウンロード
まず、インストーラーをGoogle公式サイトからダウンロードしてくる必要があります。
下記URLへアクセスしてください。

アクセス後、下記画像の通り「Chromeをダウンロード」をクリックします。

するとインストーラーが自動でダウンロードされますので、待ちましょう。
ダウンロードが完了したら、batファイル格納するフォルダー内へインストーラーを移動します。
インストール手順
batファイルに記載するコマンドは下記の通りになります。
テキストファイルに記載するのが面倒な方は下記をコピー頂いても構いません。
@echo off cd %~dp0 echo Google Chomreのサイレントインストールを開始します。 ChromeSetup.exe /silent /install
メモ帳を開き、上記コマンドを入力します。実際にメモ帳に入力した画面は↓↓↓

「ANSI」にて保存します。
この際、ファイルの種類をすべてのファイルにして、拡張子をbatにすることもお忘れなく。

保存が終わりましたら、batファイルとgoogle chromeのインストーラーが同フォルダー内にあることを確認し、batファイルの右クリックメニューから「管理者として実行」を選択します。

ユーザーアカウント制御が表示されますので、管理者権限のユーザーIDとパスワードを入力します。

インストーラーが実行でき次第、コマンドプロンプトが立ち上がりますので、待ちましょう。

デスクトップにGoogle Chromeのショートカットアイコンが表示されます。

問題なく、ソフトを立ち上げることができたら、作業は完了です!
Adobe Acrobat Reader
Adobe Acrobat Readerのやり方をご紹介します。
インストーラーのダウンロード
まず、インストーラーをAdobe公式サイトからダウンロードしてくる必要があります。
下記URLへアクセスしてください。
アクセス後、「オペレーティングシステム」、「言語」、「バージョン」をお使いのPCに合わせて選択します。選択が完了次第、「Acrobat readerをダウンロード」をクリックします。
ちなみに、筆者の場合、「Windows 11 Enterprse」を検証環境で使っておりますので、下記の通りとなります。

インストーラーが自動でダウンロードされますので、待ちましょう。
ダウンロードが完了したら、batファイル格納するフォルダー内へインストーラーを移動します。
インストール手順
先ほどのgoogle Chromeと内容は画像など省略しますが、ご容赦ください。
※もし画像つけてよ。。。とお思いの方がいましたら、お問い合わせからご連絡ください。
batファイルに記載するコマンドは下記の通りになります。
テキストファイルに記載するのが面倒な方は下記をコピー頂いても構いません。
@echo off cd %~dp0 echo Adobeのサイレントインストールを開始します。 AcroRdrDC2400520414_ja_JP.exe /sAll /rs /i /msiEULA_ACCEPT=YES
メモ帳を開き、上記コマンドを入力し、「ANSI」にて保存します。
実際にメモ帳に入力した画面は↓↓↓

保存が終わりましたら、batファイルとAdobeのインストーラーが同フォルダー内にあることを確認し、batファイルの右クリックメニューから「管理者として実行」を選択します。
ユーザーアカウント制御が表示されますので、管理者権限のユーザーIDとパスワードを入力します。
インストーラーが実行でき次第、コマンドプロンプトが立ち上がりますので、待ちましょう。

デスクトップにadobeのショートカットアイコンが表示されます。

問題なく、ソフトを立ち上げることができたら、作業は完了です!
Zoom
Zoomのやり方をご紹介します。
内容は上記2つと手順はかぶりますので、ここまで作業された方で慣れた場合は
batファイルの中身だけ確認して、同様にテストしてください。
インストーラーのダウンロード
まず、ZoomのインストーラーをZoom公式サイトからダウンロードしてくる必要があります。
下記URLへアクセスしてください。

Zoom Workplaceのダウンロード(MSI)をクリックします。

インストーラーが自動でダウンロードされますので、待ちましょう。
ダウンロードが完了したら、batファイル格納するフォルダー内へインストーラーを移動します。
補足:Zoomのmsiインストーラーの場所について
Zoomのmsiインストーラーは場所が少しわかりずらいので、今後アクセスする方向けにmsiファイルの場所をご説明しておきます。(2024/2/25現在)
下記URLへアクセスしてください。

アクセスしましたら、少しまでスクロール頂き、「管理者ダウンロードページ」へアクセスしてください。
クリック頂くとIT 管理者向けの Zoom のダウンロードページへアクセスできます。
インストール手順
batファイルに記載するコマンドは下記の通りになります。
テキストファイルに記載するのが面倒な方は下記をコピー頂いても構いません。
@echo off cd %~dp0 echo Zoomのサイレントインストールを開始します。 msiexec /i ZoomInstallerFull.msi /quiet /qn /norestart /log install.log
メモ帳を開き、上記コマンドを入力し、「ANSI」にて保存します。実際にメモ帳に入力した画面は↓↓↓

保存が終わりましたら、batファイルとZoomのインストーラーが同フォルダー内にあることを確認し、batファイルの右クリックメニューから「管理者として実行」を選択します。
ユーザーアカウント制御が表示されますので、管理者権限のユーザーIDとパスワードを入力します。
インストーラーが実行でき次第、コマンドプロンプトが立ち上がりますので、待ちましょう。

デスクトップにadobeのショートカットアイコンが表示されます。

問題なく、ソフトを立ち上げることができたら、作業は完了です!
まとめて1つのbatファイルに書く方法(インストールの実行は1つずつ)
ここまで、ご紹介したサイレントインストールは全て1つずつのやり方でした。
ここからは、1つのバッチファイルでまとめてサイレントインストールを実行する方法をご紹介します。
ちなみに、ここまで紹介したコマンドを1つのファイルにまとめて書けばいいじゃん!っとお考えの方
甘いですねぇー笑(煽ってごめんなさい)
もちろん1つのファイルに全て記載すれば実行可能ですが、インストーラーが3つ同時に実行されてしまい、PCのスペックによってはメモリがいっぱいになってしまう可能性があります。
その為、下記の通りに記載することで、「1つのインストール処理が完了したら、次の処理に移る」形のbatファイルを作ることができます!(どや!)
@echo off cd %~dp0 echo Google Chromeのサイレントインストール中です。触らないでください。。。 start /wait chromeSetup.exe /silent /install echo google chromeのインストールが完了しました。 echo ----------------------------------------------------- echo Adobeのサイレントインストール中です。触らないでください。。。 start /wait AcroRdrDC2400520414_ja_JP.exe /sAll /rs /i /msiEULA_ACCEPT=YES echo google AcroRdrDCのインストールが完了しました。 echo ----------------------------------------------------- echo Zoomのサイレントインストール中です。触らないでください。。。 start /wait msiexec /i ZoomInstallerFull.msi /quiet /qn /norestart /log install.log echo google AcroRdrDCのインストールが完了しました。 echo ----------------------------------------------------- echo すべてのインストール作業が完了しました。 pause
メモ帳を開き、上記コマンドを入力し、「ANSI」にて保存します。実際にメモ帳に入力した画面は↓↓↓
すみません。2つめがAdobeなのにechoコマンドではzoomと書いておりました。。。

実際のコマンドプロンプトの画面になります。

pauseコマンドを最後に入れることで、インストールが完了したコマンドプロンプトを表示させたままにしています。終了させたい場合は、コマンドプロンプト上でEnterキーを押せば終了します。
下記のように3つのショートカットがデスクトップ上にできていれば、完成です!!

補足:startコマンドとechoコマンドについて
startコマンド
startコマンドは指定したソフトウェアを起動するときに使うコマンドになります。
正直書き始めたらキリがなくなってしまうので、簡単な構文だけご紹介しておきます。
start “” ○○.exe /パラメーター
今回はこのコマンドと合わせて「/wait」オプションを指定しています。
このオプションを使うことで順序に実行することが可能です。
echoコマンド
echoコマンドは、コマンドプロンプト上に文字列を表示させるコマンドになります。
今回は下記2点の目的で使っています。
- どのインストーラーを実行しているのか把握する為
- 視認性を上げる(「echo ——-」)
最後に
今回はサイレントインストールをメインに解説してきました。
今回ご紹介したstartコマンド使って、Active directoryのグループポリシーを用いたログオンスクリプトの作り方もご紹介しておりますので、こちらも読んでいただけると嬉しいです!
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