batファイルの基礎情報
読み方ですが、bat(バッチ)ファイルと呼びます。
batファイルは、Windows標準搭載のコマンドプロンプトにおいて、実行させたい処理をテキストファイルに記載したファイルになります。
見た目は下記の通り歯車のアイコンが目印のファイルになります。

補足:GUIとCLIについて
そもそもコマンドプロンプトが分からない方にコマンドプロンプトの補足説明をしたいと思います。
今回はWindowsに限った話でGUIとCLIについて補足します。
windowsを操作する際は、マウスとキーボードにて画面を操作するのが一般的です。
このような操作方法をGUI(グラフィカル ユーザー インターフェース)と言います。
※GUIは「ジーユーアイ」ではなく、「グイ」とも呼ばれたりします。
一方、エンジニアの方が操作しがちな黒い画面でwindowsを操作する方法をCLI(コマンド ライン インターフェース)と言います。
こちらは「シーエルアイ」と呼びます。
GUIとCLIについて簡単に分かるようイラストで描いてみました。

コマンドプロンプトはWindows専用のCLIツールになります。
windows一般ユーザーが使う機会は少ないかと思いますが、結構便利です。
PCのホスト名やIPアドレスの情報など知りたい情報をサクッと調べることができます。
他にもドメイン参加する際に使う「システムのプロパティ」や「イベントビューアー」などもコマンド1つで開くことができます。
他にもPingやTracertなどネットワークのトラブルシューティングなどで使われるコマンドなども使うことができます。
とにかくコマンドプロンプトでできることは多すぎて本記事では紹介できないくらいありますので、気になる方は自分で調べてみてください!
batファイルの「bat」とは
そもそもbatファイルのbatとはどのような意味でしょうか。
batは英語で「束」を意味する単語になります。
その名の通り、batファイルにコマンドをまとめて書くことで1度の操作で複数の処理を実行することができます。
バッチ処理について
バッチファイルを実行する際は、ファイル内に記載されたコマンドが上から順に実行されていきます。
このような処理をバッチ処理と言います。

そのため、記載する順番は意識してbatファイルを作成する必要があります。
バッチファイルでできること
バッチファイルでいろいろありますが、メジャーなところでは下記の通りです。
- ファイルやフォルダの作成、編集、削除
- windowsアプリケーションの起動、インストール
この中で個人的によく使われるケースは②かと思います。
ちなみにbatファイルはActive directoryのグループポリシーと組み合わせても使うことができます。
気になる方は下記記事でグループポリシーと合わせたログオンスクリプトの作り方を解説しておりますので、こちらも読んでいただけるとより知識が深まります。
batファイルはメモ帳で作れる
batファイルは専用のテキストエディターは一切不要で、window標準のメモ帳で作ることができます。

メモ帳を開く
メモ帳の開き方はご存じかも多いかと思いますが、簡単に補足しておきます。
※windows 11の説明になります。
デスクトップの検索バーに「メモ」と入力してください。
すると検索結果の候補に「メモ帳」が表示されますので、クリックすると開くことができます。

テキストファイルを保存する際に拡張子を「.bat」に変更する
メモ帳が開けたら、さっそくバッチファイルを作成してみましょう。
下記画像の通り、コマンドを入力します。
コマンドを入力するのが面倒な方は、下記をコピーしてメモ帳にペーストしてください。
echo これはバッチファイルのテストです。 pause

名前を付けて保存をします。保存する際に下記2点を注意してください。
- エンコードを「ANSI」に変更する
- 拡張子を「.bat」にする

問題なく作成が完了すると、下記のように歯車のアイコンが入ったファイルが出来上がると思います。

これが、バッチファイルとなります!
ちなみに保存が終わったら、batファイルをダブルクリックしてください。
すると、先ほどメモ帳に入力した文字がコマンドプロンプト上で表示されます。

batファイルでよく使うコマンド
echo:文字列を表示する
1つ目は「echo」コマンドです。
表示させたい文字列をbatファイルに記載することで、その文字列をコマンドプロンプト上で出力することができます。
コマンドの書き方は下記の通りです。「○○○○」にお好きな文字列を書いてください。
echo ○○○○
例えば、メモ帳で↓のように書くと

出力結果が下記のようになります。

@echo off:実行結果のみを出力する
2つ目は「@echo off」コマンドです。
このコマンドをbatファイルの先頭に記載すると、出力結果のみが表示されます。
コマンドの書き方は下記の通りです。
@echo off
メモ帳で書くとこんな感じです。

コマンドプロンプト上では↓のようになります。

画像を見て頂く通り、途中の処理は一切表示されず、出力結果のみが出ます。
Rem:コメントアウトをする
3つめは「rem」コマンドです。
このコマンドは、batファイル上でコメントを残すときに使います。
コマンドの書き方は下記の通りです。
rem コメントで残したい文字列を記載
メモ帳で書くとこんな感じです。

コマンドプロンプト上で↓のようになります。

pause:処理を途中停止する
4つめは「pause」コマンドです。
このコマンドは、処理を途中で停止させるときに使います。
コマンドの書き方は下記の通りです。
pause
メモ帳で書くとこんな感じです。

コマンドプロンプト上で↓のようになります。

この状態で、Enterキーを押すと、それ以降の処理が始まります。

トラブルシューティング
コマンドプロンプト上で文字化けしてしまう
こちらの原因はエンコードが「UTF-8」のまま保存されている可能性があります。
対象のbatファイルを右クリックし、「メモ帳で編集」をクリックします。

エンコードを「UTF-8」から「ANSI」へ変更して、保存をクリックしてください。

操作可能なプログラムまとはバッチ ファイルとして認識されていません。
batファイルに記載したプログラムのスペルミス、もしくは半角スペースを空けずにコマンドを記載している単純ミスの可能性があります。

batファイルを開いて、書いたプログラムを見直してみてください。
最後に
batファイルを学んだもののどのように活用するのだろう。。とお思いの方に少し使い方を補足したいと思います。
まず、応用編として、batファイルをカレントディレクトリで実行する方法を解説した記事をご紹介します。
本記事の途中でもご紹介しましたが、batファイルはActive Directoryのグループポリシーと親和性がいいです。下記記事では、batファイルを使ったログオンスクリプトの記事を解説しています。
batファイルの作成にとどまらず、グループポリシーの使い方もわかりますので、おすすめの記事になります!
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