たったこれだけ!パケットトレーサーで覚えるBGP:ネットワークエンジニアへの道【入門編】

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始めに

今回はPacket Tracerを用いてBGPを設定する手順をご紹介したいと思います!!

BGPって何ですか?と疑問に思った方は、下記記事にBGPとは何かを初めての方でも分かるようにまとめましたので、よろしければご確認ください。

【6分で読める】イラストと例えで理解するBGP:入門
はじめに 今回はインターネットの仕組みを支えるプロトコルをご紹介したいと思います。 この記事を読めば下記問いに対して、ネットワークの視点から説明できるようになります。 インターネットとは何か 初めてBGPを学ぶ方にもわかりやすく解説しますの...

ネットワーク構成図

BGPを設定する上での構成図は下記の通りです。

IPアドレスの設定内容は下記の通りです!ご確認ください。

Host nameGigabit Ethernet  0/0Gigabit Ethernet  0/1Fast Ethernet 0/0
Router_1172.16.3.1 /24192.168.1.1 /24-(設定なし)
Router_2172.16.3.2 /24192.168.2.1 /24-(設定なし)
PC_1-(設定なし)-(設定なし)192.168.1.10
PC_2-(設定なし)-(設定なし)192.168.2.10

機器の基本設定手順

BGPの設定を行う前にまずは、接続機器の設定を行っていきましょう!

入力コマンドは以下の通りです。

Router_1の設定

最初にルーターの設定をする前に設定方法に関するダイアログが表示されますが、noと入力しEnterを押します。

hostname 設定

入力コマンドは下記の通りです。

以下、入力するコマンドは「—」内で太文字で記入します。

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Router>enable
Router#conf t
Router(config)#hostname router_1

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このコマンドは、Routerのホスト名を登録するコマンドになります。実際は設定しなくてもBGPは設定できますが、どうせならわかりやすいように名前をつけておきましょう。

interface gigabitEthernet 0/0のポート設定

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router_1(config)#interface gigabitEthernet 0/0
router_1(config-if)#ip address 192168.3.1 255.255.255.0
router_1(config-if)#no shutdown

router_1(config-if)#exit

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Router_1のインターフェース 0/0IPドレスを設定するコマンドになります。

ポイントとしては、デフォルトではルータのポートは電源がOFFになっているため、no shutdownコマンドで電源をONにすることです。

終わった後は、インターフェース0/1の設定に移るため、設定モードをグローバルコンフィギュレーションモードに戻しておきます。

interface gigabitEthernet 0/1のポート設定

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router_1(config)#interface gigabitEthernet 0/1
router_1(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
router_1(config-if)#no shutdown

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PC_1とRouter_1間のネットワーク設定になります。もっと詳しく言うと、PC_1のデフォルトゲートウェイを設定する為に、予めルーターのインターフェース0/1に対してIPアドレスを設定しておきます。

no shutdownまで入力を終えると下記画像のように、リンク状態が緑にかわります。

Router_2の設定

Router_1と手順は同じになります。

hostname 設定

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Router>enable
Router#conf t
Router(config)#hostname router_2

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interface gigabitEthernet 0/0のポート設定

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router_2(config)#interface gigabitEthernet 0/0
router_2(config-if)#ip address 192.168.3.2 255.255.255.0
router_2(config-if)#no shutdown

router_2(config-if)#exit

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設定の手順自体はrouter_1と同じですが、設定するIPアドレスが異なりますので、ご注意ください。

interface gigabitEthernet 0/1のポート設定

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router_2(config)#interface gigabitEthernet 0/1
router_2(config-if)#ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
router_1(config-if)#no shutdown

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PC_2とRouter_2間のアドレスの設定になります。

PC_1の設定

IP Configurationで固定のIPアドレスを設定します。

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IP Address 192.168.1.10

Subnet Mask 255.255.255.0

Default Gateway 192.168.1.1

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実際に設定をした画面が下記になります。

PC_2の設定

IP Configurationで固定のIPアドレスを設定します。

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IP Address 192.168.2.10

Subnet Mask 255.255.255.0

Default Gateway 192.168.2.1

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実際に設定をした画面が下記になります。

BGPの設定

ここまで来たら、本題のBGPを設定していきましょう!!

ポイントをきっちりと抑えていきましょう。

Router_1の設定

Router_1のAS番号を設定していきます。今回は、AS番号を100として設定していきます。

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router_1(config)#router bgp 100
router_1(config-router)#neighbor 192.168.3.2 remote-as 200
router_1(config-router)#network 192.168.1.0 mask 255.255.255.0
router_1(config-router)#exit

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AS番号の設定が終わりましたら、BGPのピアリングを行う設定をしていきます。

ネイバーのIPアドレスとAS番号を入力します。入力が終わったら、Router_1が持つ経路情報を登録します。

最後にexitでモードをグローバルコンフィギュレーションモードに戻します。

Router_2の設定

Router_1と同じ手順ですが、AS番号が異なりますので、ご注意ください。

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Router_2(config)#router bgp 200
Router_2(config-router)#neighbor 192.168.3.1 remote-as 100
Router_2(config-router)#network 192.168.2.0 mask 255.255.255.0
Router_2(config-router)#exit

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こちらもRouter_1と同じコマンドを用います。入力する値が異なる点はご注意ください。

疎通確認 & ルーティングテーブル確認

最後にPC_1からPC_2へpingを投げて疎通確認を行います。

PC_1のアイコンをクリックしてDesktopからCommand Promptをクリックしてください。

ping 192.168.2.10を入力し、Enterを押します。

下記画像のようにPC_2からpingの応答があれば、設定は完了になります!

最後にルータのルーティングテーブルを確認してBGPで設定した経路情報が登録されているか確認したいと思います。

Router_1

特権モードまで戻って、show ip routeと入力します。

赤文字の部分にご注目ください。BGPで先ほど設定したルーティング情報が登録されていますね!!

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Router_1#show ip route
Codes: L – local, C – connected, S – static, R – RIP, M – mobile, B – BGP
D – EIGRP, EX – EIGRP external, O – OSPF, IA – OSPF inter area
N1 – OSPF NSSA external type 1, N2 – OSPF NSSA external type 2
E1 – OSPF external type 1, E2 – OSPF external type 2, E – EGP
i – IS-IS, L1 – IS-IS level-1, L2 – IS-IS level-2, ia – IS-IS inter area
* – candidate default, U – per-user static route, o – ODR
P – periodic downloaded static route

Gateway of last resort is not set

 192.168.1.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks

C 192.168.1.0/24 is directly connected, GigabitEthernet0/1
L 192.168.1.1/32 is directly connected, GigabitEthernet0/1
B 192.168.2.0/24 [20/0] via 192.168.3.2, 00:00:00
192.168.3.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 192.168.3.0/24 is directly connected, GigabitEthernet0/0
L 192.168.3.1/32 is directly connected, GigabitEthernet0/0

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Router_2

Router_1と同じようにshow ip routeで確認していきます。

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Router_2#show ip route
Codes: L – local, C – connected, S – static, R – RIP, M – mobile, B – BGP
D – EIGRP, EX – EIGRP external, O – OSPF, IA – OSPF inter area
N1 – OSPF NSSA external type 1, N2 – OSPF NSSA external type 2
E1 – OSPF external type 1, E2 – OSPF external type 2, E – EGP
i – IS-IS, L1 – IS-IS level-1, L2 – IS-IS level-2, ia – IS-IS inter area
* – candidate default, U – per-user static route, o – ODR
P – periodic downloaded static route

Gateway of last resort is not set

B 192.168.1.0/24 [20/0] via 192.168.3.1, 00:00:00
192.168.2.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 192.168.2.0/24 is directly connected, GigabitEthernet0/1
L 192.168.2.1/32 is directly connected, GigabitEthernet0/1
192.168.3.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 192.168.3.0/24 is directly connected, GigabitEthernet0/0
L 192.168.3.2/32 is directly connected, GigabitEthernet0/0

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Router_1と同じようにBGPで登録した経路情報が登録されていれば、設定は完了になります!

以上で確認は終了になります!!!

終わりに

今回はBGPの設定を解説しました。

いままでの設定に比べ、難易度は若干高かったと思いますが、大事なプロトコルになりますので、ぜひ実践でやってみてください!!

ではまた!

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